建設業許可番号とは、建設業許可を受けた事業者に発行される番号のことです。実は建設業許可番号にはそれぞれ意味があり、ひとつとして同じ番号はありません。本記事では建設業許可番号の意味や読み方、番号を取得する方法や確認方法について説明します。
建設業許可番号とは?
一定規模以上の工事を行う建設事業者は「建設業許可」の取得が必要です。建設業許可を取得した事業者には固有の「建設業許可番号」が与えられ、建設業許可証に記載されます。
建設業許可番号は「国土交通大臣 許可(搬−□□)第□□□□□□号」(□は数字)のような形式です。この文字と数字は、その事業者がどのような内容の許可を受けているかや、許可の有効期間を表しています。
建設業許可番号を取得するメリット
そもそも建設業許可番号は、建設業許可を受けることで自動的に与えられます。つまり番号を持っているということは、建設業許可を受けているということです。ここでは建設業許可を取得することの主なメリットを3つ紹介します。
①一定規模以上の工事を請け負うことができる
建設業許可を受けていれば、一定規模以上の工事を行うことができます。この「一定規模」とは、具体的には以下のような工事です。
・500万円以上の工事(建築一式工事以外) ・1,500万円以上の建築一式工事 ・延床面積150平方メートル以上の木造住宅建築の工事 |
②公共工事の入札に参加できる
国や自治体が公募する公共工事の入札に参加するには、建設業許可が必要です。公共工事の受注は事業者にとって実績アップの大きなチャンスとなるため、もし入札(受注)を検討しているなら、できるだけ早く建設業許可の取得を目指すべきでしょう。
③信用につながる
建設業許可は、国土交通大臣や都道府県知事によって与えられるものです。国や自治体のお墨付きをもらう、と言い換えてもよいでしょう。このため建設業許可を取得し、建設業許可番号を表示していれば、建築主や他の事業者からの信用につながります。
建設業許可番号からわかること
建設業許可番号には「意味」があります。ここでは具体的な例を挙げながら、番号の読み方を紹介していきます。
【その1】大臣許可か知事許可か
建設業許可番号の冒頭の文字は、大きく分けて2つのパターンで始まります。
パターン①:国土交通大臣 許可
パターン②:東京都知事 許可(※東京都の場合)
読んで字のごとく、パターン①は大臣許可(国の許可)、パターン②は知事許可(自治体の許可)であることを表しています。
ちなみに「大臣許可」を受けるのは、都道府県をまたいで支店や営業所を持っている場合です。これに対し営業所が1か所のみだったり、複数の営業所や支店があってもすべて同じ都道府県内にある場合は「知事許可」になります。
つまり建設業許可番号の冒頭を見ることで、その事業者の営業規模をある程度知ることができるということです。
【その2】特定建設業許可か一般建設業許可か
建設業許可番号の中ほどには、(特−□□)もしくは(搬−□□)という表記があります。この「特」「搬」は、それぞれ特定建設業と一般建設業を表しています。
この二つの建設業の違いは以下の通りです。
- 特定建設業…発注者から工事を直接請け負う場合に、1件あたり4,000万円(建築工事業は6,000万円)以上の「下請契約」を結ぶことができる
- 一般建設業…上記以外の工事を請け負うことができる(自社のみで工事を行う場合や、金額の低い下請け契約を結ぶ場合など)
なお特定建設業と一般建設業を区別するのは「下請契約の金額」であって、工事そのものの受注金額ではありません。たとえば大規模で高額な工事を受注していても、そのほとんどを自社で行うのであれば、一般建設業の対象になるということです。
【その3】許可年度は何年か?
(特−□□)や(搬−□□)の「□□」には数字が入ります。たとえば特−5(もしくは搬−5)なら、許可年度は令和5年ということです。
許可年度がわかれば、許可の有効期間もわかります。というのも、建設業許可の有効期間は「取得から5年間」だからです。もちろん有効期間は更新できますが、その場合は(特−□□)や(搬−□□)の数字も最新のものに変わります。
もし許可年度の数字が6年以上前のものなら、その事業者の建設業許可は失効している可能性があると考えられるでしょう。
【その4】その他
建設業許可番号の最後は「第□□□□□□号」という6桁の数字です。この数字は事業者ごとに与えられる個別のもので、自治体の許可から国の許可に変わったり、許可が更新された場合も変わることはありません。
もし同じ事業者なのに以前の事業者番号と今の番号が違うとしたら、いったん許可を失効して再申請(再取得)したと考えられます。
建設業許可番号を取得・確認するには
建設業許可番号を取得するにはまず建設業許可を申請して、許可を受ける必要があります。
与えられた建設業許可番号は「建設業許可票」に記載し事業者の営業所や工事現場の見やすい場所に掲示されますが、わざわざ見に行かなくても、国土交通省のシステムから検索が可能です。
それぞれについて、簡単に説明しましょう。
番号の取得には「建設業許可」が必要
まず建設業許可を申請するには、以下の6つの要件を満たす必要があります(ひとつでも欠けている場合、建設業許可を受けることはできません)。
建設業許可の申請要件
・経営業務の管理責任者(経管)を設置できること ・専任技術者を設置できること ・契約の締結や履行で不正な行為をするおそれがないこと ・欠格要件に該当しないこと ・財産的な基礎が安定していること ・社会保険に加入していること |
要件を満たしたら、必要な書類を揃えて提出します。提出先は、大臣許可の場合は「国土交通大臣」、知事許可は「営業所の所在地を管轄する都道府県の知事」です。ただしどちらの申請も、土木事務所や行政庁の主管課(「建設業課」など)が受付窓口になります。
取得した番号はインターネットで調べられる
建設業許可番号は自治体の建設事務所などで閲覧可能です。ただし窓口で閲覧請求するのは手間も時間もかかるため、あまりおすすめできません。それよりもインターネット上のサービスを使って検索する方が簡単・便利でしょう。
ひとくちにインターネット上のサービスといってもいろいろありますが、一般的なのは国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」です。
このシステムでは、「商号または名称」「許可番号」「所在地」「業種指定」「営業所キーワード」の各条件で建設事業者を検索できます。もちろんすべての条件を指定する必要はありませんが、指定が少ないと一度に何百という結果が表示されるため、可能な限り条件を絞り込んだ方がよいでしょう。
建設業許可番号は「ツクリンク」などの民間サイトで調べることもできますが、建設業者・宅建業者等企業情報検索システムは国が運営しているだけあって、情報の信頼性は折り紙付きです。また月に2回更新されるため半月単位で最新情報を入手できるもの強みといえます。
建設業許可番号を取得して事業の幅を広げましょう
建設事業者が大きな建設プロジェクトを手がけたり、公共工事を受注するには建設業許可番棒(建設業許可)が必要です。ぜひ自社の発展のためにも、建設業許可番号の取得を積極的に目指していきましょう。