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【2023年度最新版】工場建設に使える補助金について徹底解説!

公開日:2023.06.19 更新日:2023.06.19
【2023年度最新版】工場建設に使える補助金について徹底解説!

国や自治体が用意している各種の工場建設補助金制度は、工場の新築や改修、設備の導入に使える返済不要な資金調達方法です。年度初めに募集がありますので、常に情報を収集するように努めましょう。補助金以外の資金調達方法についても解説します。

工場建設に使える補助金とは?

工場や倉庫を新たに建築したり改修したりするには多額の費用が掛かりますが、この費用の一部は「補助金」でまかなえる場合があります。

補助金制度を上手に活用すれば、工場や倉庫の建設や改修にかかるコストを大幅に軽減することができ、投資回収期間も早まるでしょう。

補助金の特徴

補助金とは、国や地方公共団体等から支給される、原則として返済義務のないお金です。

補助金の種類としては、雇用の促進や設備の導入、販路の開拓、新商品の開発などがあり、国の場合は所轄官庁ごとに年度予算が組まれ、ほとんどが年度初めに公募されます。

補助金の注意点

補助金を受けるには、公募に対して申請し補助金事業として採択されることが必要です。

多くの補助金は採択される件数や総額が決まっているため、その枠が満杯になるとその年度の補助金事業は終了となります。

希望者が多い補助金は公募と同時に応募が殺到し、場合によっては先着順で採択されるケースもあることから、情報を早期に仕入れて申請準備を進めておくことがポイントです。

補助金を受けた事業については、事後に報告書や領収書の提出を求められることが一般的で、数年に渡って実績の報告が義務付けられるものもあります。

補助金を受けた建物や設備は、多くの場合一定期間内(減価償却期間など)利用することが義務付けられるうえに、指定期間内の事業停止や実績報告の未提出には、補助金返還命令が出されることもあることにも注意が必要でしょう。

【2023年最新】工場建設に使える補助金の種類

工場や倉庫の建設に適用できる可能性がある補助金について、2023年度の最新動向をまとめてみました。

事業再構築補助金

「事業再構築補助金」は、中小企業庁が募集している補助金です。

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、売り上げを大幅に落としてしまった事業者が多数出ている現状から、ポストコロナ・ウィズコロナに対応しようと事業を再構築する企業を支援するものです。

事業者が実施する「新分野展開」「事業転換」「業種転換」「業態転換」「事業再編」などの思い切った事業再構築が対象となります。

海外で製造する部品などの国内生産回帰を進め、国内サプライチェーンおよび地域産業の活性化に取り組む事業者への支援と

して「サプライチェーン強靱化枠」も設けられており、業種も事業規模も対象範囲が広く、多くの事業者が応募できるという特徴があります。

参考:事業再構築補助金HP

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金

経済産業省による補助金で、コロナ禍で弱体化したサプライチェーン弱体化を食い止めるため、工場等の建設や工場設備の整備を支援するものです。

国内生産拠点等の整備を進めることによって、製品・部材素材の円滑な供給を確保するなど、サプライチェーンの強靭化を図る事業全般に対して補助されます。

令和5年度以降は「国際情勢の変化を踏まえた原材料安定供給対策事業」として新たに公募が行われており、国際情勢の変化により供給途絶リスクが生じている原材料等(パラジウム・石炭)の安定供給対策のため、国内で生産関連設備等の整備を行う企業に対して補助を行うものに移行しています。

参考:経済産業省HP サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金

先進的エネルギー投資促進支援事業費補助金

経済産業省資源エネルギー庁による補助金で、一般社団法人環境共創イニシアチブ(Sii)が事業を運営しています。

事業者が計画したエネルギー使用合理化の取組のうち、省エネルギー性能の高い機器及び設備の導入に要する経費の一部を補助するものです。

先進事業(空調などの設備更新)、オーダーメイド型事業(生産機械などの新規導入)、エネマネ事業(エネルギー消費監視)が対象で、非常に幅広い分野に適用されるため取り組みやすい補助金であると言えます。

ただし、大企業の場合は省エネ法定期報告でSクラスあるいはAクラスであることが条件であることに注意しましょう。

参考:一般社団法人環境共創イニシアチブ(Sii)HP 令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業新着情報一覧

二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(ZEB補助金)

環境省と経済産業省資源エネルギー庁の補助金で、省エネルギー設備を導入したうえで太陽光発電などでエネルギーを創出しトータルで建築物の消費エネルギーをゼロにする「ZEB(net Zero Energy Building)」の実現に向けた、先進的省エネルギー建築物の実証事業を支援しています。

ZEBの更なる普及拡大のため、建物の高断熱化やZEBに資する太陽光発電システムや空調、給湯等の設備機器等の導入に対して補助金が受けられます。

参考:環境省HP 補助金制度・支援制度

食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業

農林水産省による補助金で、加工食品等の輸出拡大に向け、輸出先国等の求める基準・条件等の規制に対応するための製造・加工、流通等の施設の新設および改修、機器の整備にかかる経費を支援するものです。

※令和5年4月13日で公募は締め切られています。今後の募集についてはHPで最新の情報を得るようにしてください。

参考:農林水産省HP 食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業

各自治体の補助金

都道府県や行政区、市町村などの各自治体が企業や工場を誘致するための補助金制度を設けている場合があります。

国の補助金制度と自治体の補助金制度は併用できる場合が多いため、工場や倉庫が立地する自治体に確認をしましょう。

地方においては新規の雇用を促進する目的で、新規に造成された企業団地への誘致など、立地エリアや業種が限られる場合が多くあります。

その場合は不動産取得税や固定資産税の減免が伴うことも多く、非常にお得な補助制度となります。

補助金以外で工場建設資金を調達するには

工場や倉庫の建設や改修には補助金が活用できることを説明しましたが、補助金の多くは対象金額の1/3~2/3程度しか支給されないうえ、支払いが全て完了してから支払われるのが原則です。

そのため補助金の受給が決まっていても、いったんは事業者の方で費用の全額を用意しなくてはなりません。

ここでは、企業が工場や倉庫の建設や改修に必要な資金をどのように手当てするかについていくつかの方法を解説します。

関連記事:建設業の資金繰りを改善するためのポイントを解説!おすすめの資金調達方法も紹介します

自己資金

もっとも確実なのは、工場や倉庫の新設や改修を自己資金でまかなうことです。

自己資金は金利も掛からず返済の必要もありませんので、事業で得た利潤を建物や設備に再投資するという理想的な経営サイクルになります。

ただし、企業の財務にとっては内部留保が減るため、運転資金や不測の事態が発生した場合の手持ち資金が不足する恐れがあることにも留意が必要でしょう。

自社資産の売却

未活用の不動産などの固定資産や設備などの動産を売却して資金を調達する方法もあります。採算性の悪い事業を取りやめて、その事業自体を売却することも検討できるでしょう。

自社資産の売却は借入融資に当たらないため、信用情報が傷付かずに済むというメリットもあります。

借入

もっとも一般的な資金調達手段は、金融機関や日本政策金融公庫などに融資を申し込み、借入をすることです。

ただし借入資金の多くは使い道が限定されるうえ、新設した工場や倉庫に抵当権が設定されてしまいます。

出資

自社株式の売却などで投資家や他企業から資金を調達する方法もあります。

相手方の持ち株比率が高まると経営に口出しをされるうえに、持ち株が過半数を超えると経営権を手放すことになるというリスクもあります。

補助金を賢く利用して工場建設の負担を減らしましょう

工場の建設には多額の資金が必要です。

返済が不要な補助金は資金計画を検討する上で大きな助けになるため、関係省庁のHPなどで補助金情報に常にアンテナを張りつつ、自治体とのパイプをつくっておくよう努めましょう。

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