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建築設計事務所とは?依頼するメリット・デメリット・費用相場について解説

公開日:2023.04.07 更新日:2023.06.19
建築設計事務所とは?依頼するメリット・デメリット・費用相場について解説

建築設計事務所とは、建築主の要望を聞きながら建物の設計を行い、設計通りに建築が進んでいるか管理を行う会社のことです。本記事では、建築設計事務所に依頼するメリット・デメリット・費用相場やハウスメーカーや工務店との違いについて解説します。

  1. 建築設計事務所とは
    1. 建築設計事務所の果たす役割
    2. 建築設計事務所ができること
  2. 建築設計事務所の種類
    1. 組織系設計事務所
    2. アトリエ系設計事務所
    3. ゼネコンの設計部門
    4. ハウスメーカー・工務店の設計事務所
  3. 建築設計事務所に仕事を依頼するメリット
    1. 0から希望の建築ができる
    2. 建築設計事務所が代わりに監理チェックをしてくれる
    3. 無駄な経費がかからない
  4. 建築設計事務所に仕事を依頼するデメリット
    1. 建築に時間がかかることも
    2. デザインや間取りが決まっている場合は他の業種に依頼した方がいい場合も
  5. 建築設計事務所に依頼する場合の費用相場
  6. 建築設計事務所に依頼した方が良いケースとは?
    1. 建築設計事務所に依頼した方が良いケース
    2. ハウスメーカーや工務店などに依頼した方が良いケース
  7. 建築設計事務所に対するイメージと実情
    1. 建築家って気難しくて仕事がやりにくいのでは?
    2. 建築家にお願いすると希望を聞いてもらえないイメージがあるのですか…?
  8. 建築設計事務所に対するよくある疑問
    1. 依頼すると総額どれくらいになるの?
    2. 社会情勢の変化で値上がりするの
    3. 近くにある建築設計事務所にしか依頼できないの?
    4. 人気のある設計事務所に依頼した方がいいの?
  9. 建築設計事務所に依頼すれば自社の要望にあった自由な建築が可能!

建築設計事務所とは

建築設計事務所がどのような組織なのか、建築において果たす役割やできることについて見ていきましょう。

建築設計事務所の果たす役割

建築設計事務所とは、建築物の設計や監理を行う事務所のことです。複数の建築家が在籍している事務所や、1人が代表して建築物の設計を行う事務所、数十〜千人の従業員がいる事務所など、規模は事務所によってさまざまです。

令和3年4月1日の時点で、建築家が在籍している建築設計事務所は約99,152社あります。

建築設計事務所ができること

建築設計事務所では、主に次のような業務を行います。

  • 建物設計前業務(主に企画など)
  • 基本設計業務
  • 実施設計業務
  • 工事契約業務
  • 工事監理業務

建築設計事務所の種類

建築設計事務所は、主に次の4種類に分類されます。

  1. 組織系設計事務所
  2. アトリエ系設計事務所
  3. ゼネコンの設計部門
  4. ハウスメーカー・工務店の設計部門

それぞれについて、以下で詳しく見ていきましょう。

組織系設計事務所

組織系設計事務所とは、建物建築における「意匠設計・設備設計・構造設計」などを自社に抱えている、大規模な建築設計事務所のことを指します。

東京や大阪、名古屋など全国の主要な都市に支店を置いているケースが多く、組織系設計事務所1社で、設計から監理まで一気通貫して行えるのが特徴です。

【代表的な組織系設計事務所の例】

  • 日建設計
  • 日本設計
  • 久米設計
  • 梓設計
  • 山下設計
  • 三菱地所設計

アトリエ系設計事務所

アトリエ系設計事務所とは、建築家個人の芸術性やデザイン性などを投影した、独特な設計をすることが多い設計事務所のことです。

組織系設計事務所やゼネコンの設計部門などと比較すると、アトリエ系設計事務所は小規模で建築家が代表のことが多い傾向にあります。

アトリエ系設計事務所では、主に住宅や小規模な商業施設、工業施設などの設計・工事を手掛けることが多いです。

【代表的なアトリエ系設計事務所の例】

  • 坂茂建築設計
  • 石川友博建築設計事務所
  • ネバザレス/佐河雄介建築事務所

ゼネコンの設計部門

ゼネコンの設計部門とは、ゼネコンの中にある設計を担当する部門のことです。

そもそもゼネコンは、設計だけではなく工事全体を発注者から請け負って、工事全体をスムーズに行えるようにまとめる総合建設業者です。

そんな工事全体を受け持つゼネコンの一部である設計部門の特徴としては「設計部門が設計したものを必ず自社が施工担当する」ことが挙げられます。

ハウスメーカー・工務店の設計事務所

設計から施工まで担当するハウスメーカーや工務店も、設計部門を持っていることがあります。これは、建築確認申請などを行う際に1級建築士事務所の登録が必要となるなるためです。

建築設計事務所に仕事を依頼するメリット

建築設計事務所に仕事を依頼する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

0から希望の建築ができる

建築設計事務所に仕事を依頼する最大のメリットは、0から希望の建築ができることです。

また希望の建築物に適した土地探しも行なってくれるので、建物だけではなく土地を含めた後悔しない建築が可能となります。

建築設計事務所が代わりに監理チェックをしてくれる

設計から施工まで一括で請け負っている建築業者やハウスメーカー・工務店の場合、社内の建築士が工事の監理チェックを行います。

自社の工事を自社で監理する形となるので、第三者が行うよりもチェックが甘くなりがちですが、建築設計事務所に依頼をすれば、建築主と同じ立場で厳しいチェックをしてもらえます。

無駄な経費がかからない

建築設計事務所に依頼した場合、無駄な経費がかからないのもメリットです。

建築業者やハウスメーカー・工務店などに工事を依頼した場合、材料費や工事費に加えて営業経費なども上乗せされることが一般的です。これに対し建築設計事務所に依頼すれば、営業経費など余計な経費をカットできるためコストダウンが可能です。どういう資材を使い、どこの業者に依頼するかまで選べるため、お金の透明性が高いのも魅力的なポイントといえます。

建築設計事務所に仕事を依頼するデメリット

建築設計事務所に仕事を依頼する場合、メリットだけではなくデメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

建築に時間がかかることも

建築設計事務所に仕事を依頼する場合、どのような建物を建築するのか相談しながらプロジェクトを進めていくことになります。

そのため自社の思うような建築が実現できるという一方で、建築が完了するまで時間がかかるというデメリットもあるので注意が必要です。

デザインや間取りが決まっている場合は他の業種に依頼した方がいい場合も

既に建築物のデザインや間取りなどが詳細に決まっている場合、建築設計事務所に依頼すると設計費用が無駄になってしまいます。

そのため建築物のデザインや間取りなどが決まっている場合は、ゼネコンや工務店・ハウスメーカーなどに依頼した方が良いでしょう。

建築設計事務所に依頼する場合の費用相場

建築設計事務所に依頼する場合、費用相場は工事費用の約10〜20%程度になるケースが多いです。

例えば1億円の工事費が掛かる建物の設計を依頼した場合、設計費用が20%とすると、必要となる費用は1億円×20%=2,000万円となります。

ただしこの費用相場は、建物の種類や講師の規模などによって前後することも多いです。建築設計事務所に依頼して費用がどのくらいかかるか気になる場合は、あらかじめ事務所側に問い合わせておきましょう。

建築設計事務所に依頼した方が良いケースとは?

ここでは建築設計事務所に依頼した方が良いケースと、ハウスメーカーや工務店などに依頼した方が良いケースについて解説していきます。

建築設計事務所に依頼した方が良いケース

建築設計事務所に建築を依頼した方が良いケースは、以下のとおりです。

  • 0から希望の建築を実現したい
  • 工事の監理をお願いしたい
  • 時間をかけてでもデザインや性能にこだわりたい

ハウスメーカーや工務店などに依頼した方が良いケース

ハウスメーカーや工務店などに依頼した方が良いケースは、以下のとおりです。

  • 特にこだわりがない
  • 設計などに時間をかけることなく建物を建てたい
  • とにかく早く建築を終えてほしい
  • 建築したい建物のデザインや間取り、内装などすべて決まっている

建築設計事務所に対するイメージと実情

建築設計事務所に対して「建築家って気難しいのでは?」「こだわりがすごくて希望を聞いてもらえないのでは」というイメージを抱いている人も多いかもしれません。

ここではよくある建築設計事務所に対する間違ったイメージと、実情はどうなのか解説していきます。

建築家って気難しくて仕事がやりにくいのでは?

一般的に建築設計事務所や建築家に対しては「気難しくて仕事がやりにくいのでは?」というイメージを抱いている人が多いです。

しかし実際は、建築設計事務所や建築家の人々は話しやすく、円滑にコミュニケーションができるため仕事がやりにくいということはほとんどありません。

建築家にお願いすると希望を聞いてもらえないイメージがあるのですか…?

建築設計事務所や建築家はあくまでも「依頼主の要望通り」建物の設計を行います。

そのためこだわりがすごくて要望を聞いてもらえないということはほとんどありません。むしろクライアントの希望を可能な限り叶えるようとしてくれる建築設計事務所や建築家が大多数です。

建築設計事務所に対するよくある疑問

ここでは建築設計事務所に対するよくある疑問とその答えを紹介していきます。

依頼すると総額どれくらいになるの?

建築する建物の規模にもよりますが、大まかな費用感は土地面積と建物の構造によって変わります。

「坪数」×「坪単価」で計算すると、工事に必要な費用を大まかに計算可能です。例えば50坪の建築物を坪単価200万円で建築したい場合「40×200=8,000万円」が工事費用の大まかな目安になります。

また坪単価は鉄筋コンクリートや木造など、建物の構造によって変わります。建物の構造ごとの特徴と大まかな費用相場は、以下のとおりです。

建物の構造坪単価のおおまかな費用相場
鉄筋コンクリート70〜120万円
鉄骨100〜150万円
木造100〜200万円

社会情勢の変化で値上がりするの

社会情勢の変化によって建築材料が高騰したり、建築需要が高まったりした場合、建物の建築にかかる費用も値上がりします。

もっとも 建築需要が落ち着いたり、材料の供給が追いついたりした場合、値上がりしていた価格がまた下がっていくケースもあります。

近くにある建築設計事務所にしか依頼できないの?

建築設計事務所に仕事を依頼する場合、事務所がどこにあるかはあまり気にする必要はありません。

近年ではオンライン環境が整ったこともあり、設計段階ではオンライン上で打ち合わせを行う建築設計事務所も多いです。

ただし遠方の建築設計事務所に依頼した場合、直接会う際は交通費を支払わなければならない可能性があります。

人気のある設計事務所に依頼した方がいいの?

人気がある設計事務所だからといって、その事務所が自社に適しているわけではありません。

仕事を依頼する際は、予算やデザイン、建築しようと思っている建築物に合わせた設計事務所を選んだ方が良いでしょう。

建築設計事務所に依頼すれば自社の要望にあった自由な建築が可能!

建築設計事務所に仕事を依頼した場合、0から希望の建築ができたり、代わりに監理チェックをしてくれるなどさまざまなメリットがあります。

そのためどうしてもこだわりたいデザインや性能などがある場合、建築設計事務所に建築を依頼するのがおすすめです。 ただし仕事を依頼する際は、事務所の規模や人気ではなく、インチクしようと思っている建築物に合わせて設計事務所を選びましょう。そうすることで、後から「思っていたのと違った」「想像していたデザインや性能とでき上がった建築物が違った」というミスマッチを防ぐことができます。

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